地デジ平面アンテナ(デザインアンテナ)設置工事(石川県かほく市津幡町)
2021/09/06
地デジ平面アンテナ設置工事
アンテナ金具の仮取り付け
先日、2階建ての一戸建て住宅のお客様のお家で、2階の屋根上に地デジアンテナが設置してあるのですが、屋根馬の足が錆び、数本折れているためアンテナが傾いていました。
2階の屋根上に地デジアンテナを設置する場合は、屋根馬を使いステンレスの支線を張るので、足が数本失くなってもすぐに倒れはしません。ただあまり良い状態ではないですし、修理の必要はありますね。
こちらのお客様は、屋根上のアンテナをやめて、壁面に取り付ける平面アンテナ(デザインアンテナ)をご希望されました。こちらの屋根上のアンテナは、約15年経ったとお客様はおっしゃっていましたし、それなりに長くは持つのですが、いざメンテナンスとなると場所が高所なので少し難しくなりますし、2人作業になると工事費も高くなります。
ですので、壁面平面アンテナへの変更には私も賛成でしたし、今後は平面アンテナが多くなっていくでしょう。
ただし地デジ(UHF)の電波はBSの電波と違い、高さがないと受信できない場合があるので、平面アンテナの設置が難しい地域や場所もあります。
アンテナの位置を屋根よりも何メートルも高くしないと電波を受信できない場所は、八木式アンテナの方が向いていますね。
今回のお客様のご自宅の場所は、平面アンテナでも受信できましたので問題ありませんでした。しかし平面アンテナはカタログの仕様にもあるように、八木式アンテナより受信感度が落ちますので、強電界地域(電波塔が近く、電波の受信状況が良い地域)であれば問題ないですが、中弱電界地域の場合はブースターはほぼ必須になるかもしれません。
こちらのお客様の場合は、元々屋根上にアンテナと一緒にブースターも付いていましたので、それをそのまま使用します。屋根上のアンテナは全て撤去しますのでブースターは天井裏へ移設します。
アンテナ金具を取り付ける前に、どの位置(高さ)が一番受信できるかアンテナを手で持ってレベルチェッカーを見ながら確認します。
それで、一番良いポイントを見つけたら、そこに印を付けアンテナ金具を取り付けます。アンテナケーブル(同軸ケーブル)はアンテナの近くにケーブル1本分の穴を開け、天井裏へ入線し、天井裏で結線します。
地デジ平面アンテナ設置工事
2階天井裏のテレビアンテナの配線
こちらが2階の天井裏です。現在ここに各お部屋にテレビアンテナを配線するための分配器とブースターの電源部があります。
ブースターとこの電源部は基本的にセットで使用します。ブースターを設置した場合、電源部がないとテレビ信号を送りません。つまりテレビが映りません。
そして、この電源部には100Vコンセントの電源が必要です。
今回はこちらの電源部は2階の天井裏にありましたが、そのお家によって様々な場所に設置してあります。
ユニットバスの天井だったり、テレビの裏だったり、他にはテレビが設置されていないテレビアンテナコンセントの近くにポツンと電源部だけがあったりもします。
ただやはりこの電源部の理想の位置としては、ブースター本体に近い場所が理想だと思います。
地デジ平面アンテナ設置工事
平面アンテナの設置完了
外の仕事はこれで完了です。画像の空を見ても分かりますが、今日は空に雨雲があり、雨が今にも降ってきそうです。
ですので、お客様から雨が降る前に作業をという事で、今日は朝7:30から作業を始めています。
作業中にお客様のお子様お二人が小学校へ行きました。お客様のお父様は仕事は休みをとっていらしたのですが、朝だけ学校の何かの当番という事で、ちょっと行ってきますとお子様と出ていかれました。
これから、2階の屋根に上がり、アンテナの撤去をします。
アンテナ撤去の様子は、また後日のブログで紹介します。今でも時おり雨がポツポツ降っています。
正直言うと、雨がたまにポツポツ降るので「今日で全部終わるかなぁ」という気持ちで仕事をしていました。雨が降ってきたら、アンテナ撤去は後日かなぁと思っていました。
まともに雨が降ったら、絶対に屋根は上がれません。
ちなみにこちらのお家の屋根はスレートですが、スレートでも瓦でもガルバニウムでも雨が降れば屋根へは危なくて上がれませんね。
地デジ平面アンテナ設置工事
屋根裏のアンテナ配線
先ほどのブースターを取り付けました。左側がブースターで右側がその電源部になります。まず外に取り付けた平面アンテナからの同軸ケーブルをブースターの入力端子に接続します。
次にブースターの出力端子から電源部の入力端子へ同軸ケーブルを接続します。
次に電源部の出力端子から分波器の入力端子へケーブルを接続します。
これで配線は終わりですね。
ただ配線を全て接続する前に、電源部の出力端子でアンテナ受信レベルが問題ないかレベルチェッカーで確認します。
上の方で、電源部はブースター本体の近くにあるのが理想と書きましたが、画像のような配置が理想の設置だと思います。
なぜかと言うと、アンテナ配線の状況が「とても分かりやすい!」からです。
このテレビアンテナの配線というのは、色々な業者が触ると配線がグチャグチャになる傾向があるように感じます。今までそういうのは見てきました。
でも、画像のように設置すると、どこの業者さんが見てもすぐにテレビアンテナの配線状況が分かると思います。
地デジ平面アンテナ設置工事
受信レベル確認中
受信レベルがこれだけの数値があれば問題ありません。MER、BERも問題ありません。
少しこのレベルチェッカーの画面の説明をしますと、左側から「ch.」物理チャンネル、「レベル」、「MER」、「BER」、「受信状態」OK or NGとなります。
①レベルチェッカーのch.(チャンネル)に表示される数字はテレビのチャンネルの数字ではなく、物理チャンネルと言って、それぞれの電波塔に与えられているチャンネルになります。これがUHF(地上デジタル放送)で使用されているチャンネルになります。
日本では13ch.〜52ch.まであり、地デジのアンテナもこの受信チャンネルにより種類があります。
例えば、受信チャンネルが
・13ch.〜34ch.の範囲であれば、ローチャンネル用のアンテナ
・35ch.〜52ch.の範囲であれば、ハイチャンネル用のアンテナ
になります。
そして、13ch.〜52ch.までのアンテナもあり、それがオールチャンネル用となります。
じゃぁ初めからオールチャンネル用にしておけばいいんじゃない?となりますよね。ローチャンネル、ハイチャンネル、オールチャンネルでは受信感度が違ってきて、オールチャンネル用は少し受信感度の数値が低くなります。
ですので、オールチャンネルのアンテナが必要がない地域では、ローかハイのどちらかを選びます。
ちなみに私が住む地域の電波塔の物理チャンネルは、下が20ch.で上が52ch.となりますので、オールチャンネルのアンテナが必要になります。ですので、ローやハイチャンネルのアンテナの在庫はしておりません。
次にMER、BERですが、これらは簡単に説明すると、このポイントで測定した時の信号の質を表しています。これらも良好にテレビを視聴するには大事な数字です。
①MER(Modulation Error Ratio)モジュレーション エラー レシオ
この数値は大きほど良い
②BER(Bit Error Rate)ビット エラー レイト
この数値は0(ゼロ)に近いほど良い
③CN比(Carrier to Noise ratio)キャリア トゥ ノイズ レシオ
この数値は大きほど良い
これらの詳しい説明は他の専門のホームページで紹介されていますので割愛して、とても簡単に説明しました。
あと、私が使用しているレベルチェッカーに「CN比」の数値は出ないのですが、これは「キャリアノイズ比」と言って、簡単に説明すると信号とノイズの距離を表す数字になります。
キャリアとノイズは離れているほど良いので、数字が大きいほど良い状態という事になります。通常は良くて15以上くらいですかね。CN比が低い時は、「2」とか「3」などの時もあります。