電子ブレーカーの効果とやめたいという相談part2

こちらの画像は、ある小さい鉄工工場の動力の単線結線図です。

こちらの鉄工工場も前回のブログと同じで動力の電気を電子ブレーカで契約をしていて、それを解約したいという事でした。

現在は、15A（アンペア）で主開閉器契約をしています。

電子ブレーカを解約したい理由は、リース料金を支払う事に疑問を感じ始めたからという事でした。

またこちらのお客様も解約すればリース料金などが無くなる分電気代が安くなると思われていました。

電子ブレーカ15A（アンペア）の主開閉器契約を解約するとなると、負荷設備契約をするか、一般的なサーキットブレーカーで同じく主開閉器契約をすることになりますが、電気代がどう変化するか計算してみました。

負荷設備契約は、使用する動力電源の機械の出力を合計したものになります。正確には少し細い計算になると思いますが、概算なら問題ないと思います。

まず現在の電子ブレーカ15A（アンペア）の主開閉器契約の場合は、動力の基本料金は約5,500円です。

基本料金は約5,500円 + 電気使用料 + リース料金 4,000円（仮に） + ブレーカ交換費用　約417円（交換費用が仮に50,000円で10年に一度の場合） =毎月 9,917円〜

になります。

こちらの工場の機械の出力の合計が、22.85kwになるので、負荷設備契約にすると動力の基本料金が毎月約23,000円になります。

そして、一般的なサーキットブレーカで主開閉器契約にする場合、容量をどれだけにするかですが、分電盤の中に60A（アンペア）のブレーカが転がっていました。おそらく、電子ブレーカを契約する前に取り付けられていたブレーカだと思われます。

こちらの工場の場合、負荷変動が大きい溶接機もあるので、60Aという容量もだいたい妥当な数値だと思います。60Aの場合の基本料金は、約21,000円になります。

やはり、こういう風に計算してみると電子ブレーカで主開閉器契約をした方が動力の電気代の削減になりますね。

こちらのお客様にも以上のように説明をしたら、

「電子ブレーカを解約したら、なんで電気代が高くなるの？」

と、いまいち納得されていない様子でした。

電子ブレーカというものを理解して契約されている方であればいいのですが、中には理解されていない方もいらっしゃいます。

そもそも電子ブレーカは動力の基本料金を削減するためのものなので、電子ブレーカを解約すると基本料金は高くなってしまうと思います。

ただ、リース契約という形があまり好きじゃないとか、使用する動力の機械が以前は10台前後あったけど、今は使用する機械は1台や2台だけになったという場合などは電子ブレーカ契約を解約して、負荷設備契約にした方が基本料金が安くなる場合がありますね。

動力の機械の使用状況に合わせて契約を見直してもいいかもしれません。

とりあえずこちらのお客様は、このまま電子ブレーカを続ける方向になりました。

電子ブレーカとは違うのですが、

「電気代を削減できます」という謳い文句で、設置されている機器がたまにありますが、中には詐欺商材もありますね。

以前、ガソリンスタンドの店舗内の業務用エアコンを交換する際に、普段入れないような場所に入らしてもらった時にたまたまその機器を見かけました。

最初見た時、なんの機器・設備か分からなかったのですが、型番などの写真を撮り後から調べてみると、それは「電気代を削減できる」という詐欺商材でした。

中にはそういうものもあるので、騙されないように気をつけたいですね。

画像の動力分電盤の左上にある白いものが電子ブレーカになります。こちらの容量は15A（アンペア）です。

15Aなのに、大きいですよね。一般的な250Aサーキットブレーカの大きさくらいか、それ以上の大きさがあります。

画像の動力分電盤の下にサーキットブレーカーが1個転がっているのが分かるでしょうか。

これは3P3Eの60A（アンペア）のサーキットブレーカなのですが、おそらく電子ブレーカの前に使用していたブレーカーだと思われます。

電子ブレーカで低圧動力を契約されている方で、本当に電気代が削減できているのか不安に思われている方や、仕事をやめるので電子ブレーカの契約を解約したい方などがいらっしゃいましたら、相談にのりますのでお気軽にお問い合わせください。