電子ブレーカーの効果とやめたいという相談part1
2021/10/21
電子ブレーカーの相談
動力電気・基本料金削減の効果
こちらの画像は、ある建具工場の動力の単線結線図になります。
こちらのお客様からある日、動力の契約の件で連絡がありました。
そのお客様は電子ブレーカで主開閉器契約をされているのですが、なぜかすでに少し怒っている様子で電話を私の方にかけてきました。
そのお客様が電話で言っていた内容ですが、
「現在、ブレーカーをリースしているんだけど、その契約をしているところの営業マンから、今度ブレーカを交換する必要があります」と言われたそうです。
そして、「そのブレーカを交換するのに、かなり高い金額がかかる」(数年前の話なので詳しい金額は忘れましたが、5万円前後だっと思います)
そのお客様からすると、ブレーカーの交換になぜそんなに高い金額がかかるのか?そして、リース料もそんなに安くないと思われていたのもあり、色々積み重なって少し気持ちが爆発してしまったという感じでした。
最後に「もうこの電子ブレーカーを解約したいし、普通のブレーカーに変えて欲しい」と言われました。
もうその営業マンに「解約する」と言ってしまったという事でした。
そして実際にその工場に行き、私からまず電子ブレーカの説明をしました。
なぜ数年に一度ブレーカーを交換する必要があるのか?
なぜブレーカーの交換にそれだけの費用がかかるのか?
なぜこのブレーカーがリース契約なのか?
それと、電子ブレーカを解約して普通のブレーカーにした場合、結果的に電子ブレーカの時より毎月の電気使用料金が高くなる可能性があるという事を説明しました。
まず、なぜブレーカーの交換にそれだけの費用がかかるのか?
これは私の想像ですけど、まず電子ブレーカは普通のサーキットブレーカと構造が全然違っており、電子ブレーカはパソコン並みの精密機器だと思います。
なので、純粋に電子ブレーカ本体の価格が高いのだと思います。そして精密機器のために数年に一回交換が必要になってくるのだと思います。
普通のサーキットブレーカというのは、何十年経過したとしても、まず故障するという事はほぼありません。もちろん壊れる可能性はありますが。
でも、電子ブレーカは精密機器のため経年劣化により故障する可能性が高いです。そしてこの電子ブレーカがメインブレーカ(リミッター)なので、これが故障すると工場全体の電気が停電してしまいます。
電子ブレーカが故障して停電すると、もう仕事になりませんよね。
なので、故障する前に数年に一度、新しい電子ブレーカに交換する訳です。
そして電子ブレーカをリース契約にしているのも、このブレーカを管理するためでもあると思います。
現在こちらのお客様の工場には21A(アンペア)の電子ブレーカが設置されてあったので、電気の基本料金としては、約7,000円です。
21Aの電子ブレーカ契約で毎月かかる電気料金としては、
動力基本料金 約7,000円 + 電気使用料 + リース料金 4,000円(仮に) + ブレーカ交換費用 約417円(交換費用が仮に50,000円で10年に一度の場合) = 11,417円〜
になります。
これを普通のサーキットブレーカーに交換した場合は、40A以上の容量が必要になってきますので、
動力基本料金 約14,000円 + 電気使用料 = 14,000円〜
になります。
14,000円 - 11,417円 =2,583円(電子ブレーカの方が2,583円ほど安い)
つまり、リース料金やブレーカー交換費用がプラスされても電子ブレーカーの方が安く済むという事になります。
お客様には以上のような説明をしましたら、電子ブレーカの効果を納得していただけました。
「そっかぁ、安くなっていたんだぁ」とおっしゃっていました。
動力の電気料金を安くするためにわざわざ電子ブレーカにしているので、高くなってしまったら詐欺になってしまいますよね。
普通に電子ブレーカと一般的なサーキットブレーカの違いの説明や、どういう風に電気料金が安くなっているか説明するとお客様も分かると思うのですが、そういう説明が足りないのでお客様も料金に納得がいかず怒ることもあるのでしょう。
ただ、こちらのお客様はもう解約すると言ってしまったというのと、単純にリース契約というのも嫌なので、もう普通のブレーカに交換して欲しいという事で、交換することになりました。
同じように電子ブレーカで動力契約をされている方で、電気料金が削減できているかなどお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。
電子ブレーカ
こちらが電子ブレーカです
画像の右側がこちらの建具工場の動力電気の主開閉器契約に使用されていた21A(アンペア)の電子ブレーカです。
今回こちらを取り外し、普通のサーキットブレーカを交換し、主開閉器契約としました。なので電力会社へ動力容量変更の電気使用申込手続きもしております。
こちらのお客様の工場には、使用している木工用機械がたくさんあり、負荷設備契約にすると基本料金が高くなってしまいます。
ちなみに機械の出力の合計は、20.25kwなので負荷設備契約にすると基本料金は約20,000円になります。
ですので、主開閉器の容量をギリギリまで低くして、主開閉器契約としました。電子ブレーカの21A(アンペア)まで低くはできないですけどね。
今回は、リース契約はもう辞めたいという理由もあり電子ブレーカを解約するという事になりましたが、その気持ちは分かります。
いつまでもお金を支払い続けるのも気持ち的にも軽いものではないですよね。
とりあえずお客様は納得されたので、これで良かったと思います。