コンセントのアース配線(高岡市/電気配線工事)
2021/08/23
アース電気配線工事 アース(接地)とは
アース配線の目的とは
先日、富山県高岡市のエステサロンさんで、脱毛器を使用するコンセントにアースを配線してほしいという事で、お伺いしました。今回は工事のお話ではなく、電気配線工事の一つでもある「アース(接地)配線」について少し説明します。
アースとは、英語で「Earth」と書きます。日本語で「地球」ですね。誰でも見た事があると思いますが、要は、上の画像のコンセントの下にある緑色のケーブルがアース線で、このアース線は地球(地面の中)に繋がっています。これを「接地」と言います。そして、「アース配線工事」を「接地工事」とも言います。
この緑色というのは、アース線は緑色のケーブルを使用しなさいと内線規定や電気設備技術基準で決められています。
そして、接地工事にはA,B,C,Dの4種類があり、それぞれ「A種接地工事」「B種接地工事」「C種接地工事」「D種接地工事」と呼びます。
画像のコンセントは100V回路なので「D種接地工事」になります。
このA種、B種、C種、D種はそれぞれ目的や条件、接地抵抗値が異なります。私たちがよく目にする上の画像のようなアース配線の一番の目的は、「電気設備が漏電した時に人が感電するのを防止するため」です。アース配線があれば、漏電が起きた時、そのアース配線を通って漏電した電気が地面へ流れるので、電気設備や電化製品本体に電気が溜まりません。
ところがアース配線がない状況で電気設備や電化製品が漏電すると、その近くに漏電した電気が溜まります。それに人が手などで触れると感電する可能性があるのです。濡れた手で触ると、もっと感電する可能性が高くなります。ですので、「白物家電」と言われる水まわりの家電製品はアースが付いています。
漏電した時に、電気を遮断してくれる漏電ブレーカーですが、その感度電流は15mAや30mAの仕様となっています。これは人が感電死する可能性がある50mAよりも低い設定値として作られているのです。
これが一般的なアース(D種接地工事)の目的になります。ちなみに電圧が300Vを超える電気回路は「C種接地工事」になり、接地抵抗値は100Ω以下にする必要があります。「C種接地工事」「D種接地工事」は、漏電ブレーカーを施設すると、抵抗値は500Ω以下に緩和されます。(こちらの管轄では、電気工作物に漏電ブレーカーの施設は義務付けられています)
500Ωには緩和されますが、実際にC種、D種接地工事をするときは、500Ω以下であっても480Ωでヨシとはしません。接地抵抗値の経年劣化が考えられるからです。ですので、必ず200Ω以下になるまで接地します。
「B種接地工事」は、トランス(変圧器)のアースで、抵抗値は計算式で出されるのですが、状況により変化します。「A種接地工事」は、高圧自家用電気工作物のアースになり、変電設備(キュービクル)や避雷針のアースになります。A種接地工事の抵抗値は10Ω以下です。抵抗値は測定する時は、接地抵抗計(アーステスター)を使用します。
一般家庭・一般住宅において、「A種接地工事」「B種接地工事」「C種接地工事」はあまり関係ありませんね。
ちなみにですが、たまに、「アース配線するとそこから雷が落ちた時に雷の電流が入って家電製品などが壊れるからアースをしない方がいい」と言われる方がいます。この考え方は良いとは言えません。確かにその通りで、雷が落ち、その電流が地面を流れればアースを通り雷サージが家電製品などを壊してしまう可能性はありますし、実際にそういう事例もあります。
ですがまず、アース配線と雷電流は分けて考える必要がありますね。アースは人が感電を防止するためですので必ず必要です。
雷サージで電気設備が故障することが多いのであれば、多少は高価になりますが、SPD(サージ防護デバイス)などを施設し、電気設備を保護すればいいのです。