蛍光灯と電球とLEDの光の質の違い
2022/09/27
蛍光灯 電球 LEDの光の質の違い
LEDの光
「光」とは何か?ということを考えたことはあるでしょうか。
『蛍光灯・電球・LEDの光の質の違い』ですが、
「電球の光とLEDの光は似たような質の光になります」が、蛍光灯の光は少し違います。
光というとまず太陽の光になりますが、太陽の光は紫外線・可視光線・赤外線として地球に届きます。
この太陽光の光を、自然光と表現をしたりするのですが、照明メーカーは、LEDの光を自然光の光に近づけようとしています。
今では、かなり自然光に近いLEDになっているのではないでしょうか。
なぜLEDの光を自然光の光に近づけようとしているのかというと、
太陽光・自然光の光というのは、太陽光・自然光の光がある中で人間が物の色を見たときに一番自然な色で見ることができます。
これをフルスペクトル(連続スペクトル)の光とも言います。
これはあくまで人間目線の光の見え方、色の見え方で、動物や昆虫などは、また違う光や色の世界を持っています。
太陽光に含まれる、紫外線・可視光線・赤外線には範囲があり、人間は可視光線は見えますが、紫外線と赤外線は人間には見ることができないようです。
昆虫などは、紫外線が見えるようで、それで紫外線を発している外灯などに虫が集まる訳ですね。
動物たちも人間とは色の見え方が違うと言われています。
この可視光線には色があり、虹の色が例えやすいのですが、虹の色というのは、外側が赤色からはじまり、内側が紫色になります。
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色ですね。藍色を抜いて6色とも言われます。
これらの色を持つ光がフルスペクトル(連続スペクトル)の光になります。
虹の色は必ずこの順番になります。あくまで人間にはこういう順番で色が見えるということなるのですが、色=光であり、光=色です。光が色を作り出しています。
人間の光が見える範囲は、約380~780nm(ナノメートル)の範囲と言われています。
この範囲が可視光線ですね。
色で言うと、青紫色から赤褐色までが、人の目で認識できる光の範囲になります。
380nm以下の波長は紫外線、780nm以上は赤外線になり、人間は見ることができません。
簡単に言うと、紫外線は短く(短い波長)、赤外線は長い(長い波長)と言う感じですね。だから、虹の外側が赤色(長い)で、内側が紫色(短い)ということになります。
夕焼けと青空もそうですね、自分から見て日中に太陽が上に昇っている時は、空は青色、太陽が沈む時は空は赤色になります。
この色の違いも太陽の光の距離(波長)が関係していることになります。
蛍光灯 電球 LEDの光の違い
電球の光
話を戻しますが、太陽光・自然光の光というのは、そういう光になります。
現在のLEDはその光に近づいてきました。白熱球・電球やLEDの照明で照らされた物の色は、太陽光・自然光が照らした時と同じ色になります。
なぜかと言うと、どちらもフルスペクトルの光だからです。
それが車でも、服でも、金属でも、プラスチックでも陶器でも何でも一番自然な色で見ることができます。
点光源と面光源。
他の違いとしては、白熱球やLEDは点光源で、蛍光灯は面光源です。
インテリアで置いてある小物に光を当てる場合、点光源の光を当てるとはっきりとした陰影ができると同時に、その物の形が立体的に目にうつり、際立つ感じになります。
面光源の場合は、全体的に明るくなりますが、陰影もあまり無くボヤっとした感じになります。雰囲気が出ませんね。
蛍光灯 電球 LEDの光の違い
蛍光灯の光
蛍光灯の光は少し違っていて、まずフルスペクトル(連続スペクトル)の光ではありません。
検索すると色々画像が出てきますが、蛍光灯のスペクトルを見ると、青色や緑色などある色が強く出ている光になり、結果的に蛍光灯で照らされた物の色は自然光で照らされた時と違った色に見えてしまうという現象が起きるんですね。
蛍光灯ランプは2020年に全てのメーカーで生産を終了しているのと、省エネのためのLED化もかなり進んだこともあり、蛍光灯照明を使用している商業施設や店舗なども今では本当に少なくなってきていますが、
以前蛍光灯の照明器具がまだ一般的だった頃、蛍光灯照明のあるお店で洋服などを買って、いざ外で着用てみると買った時と違う色で返品するというのは、普通に聞く話でした。
これはスペクトルが違うことで、違う色に見えてしまった訳ですが、この色の違いは気にならない時は気にならないと思いますが、何かの色と合わせようとしていたなど、色をかなり気にして購入した場合などは、色の違いに気づくのだと思いますね。
蛍光灯照明のある美容室で髪を染めて、外へ出てみたら違う色に見えるということもあると思います。
少し余談ですが、蛍光灯照明に必ず使用されている放電電流を安定させるための「安定器」というものが器具の中に入っているのですが、こちらの「安定器」を処分するのに、今後は有料になってくる、もしくはもう有料の地域などもあるかもしれませんが、できれば早めに処分しておくと良いかもしれません。
特にPCB含有安定器(昭和32年∼昭和47年に製造)に関しては処分方法が特殊で、処分期間も2023年となっていますので、注意が必要ですね。
LED、電球(白熱球)、蛍光灯の光にはそういう違いがあります。
ちなみに蛍光灯の生産は終了しましたが、電球(白熱球)の生産は続けているメーカーはあるそうです。
電球は、現在のLEDに比べ消費電力が大きいですし、熱をそのまま光に変換しているので、ランプ本体の温度がかなりの高温になるのがデメリットですが、フルスペクトルですし、とても落ち着きの色合いのある良い光だと感じます。
それもあってだろうと思いますが、電球のような見た目のLED電球がありますね。
生活照明を考える上で、明るすぎる眩しい光は、人の目には良くありません。程よい明るさで、落ち着きのあるフルスペクトルの光をおすすめいたします。