雷の電流(サージ)で電化製品が壊れた場合の保険(石川県)
2021/09/20
雷の被害で電化製品が壊れた場合に利用できる火災保険
火災保険の落雷補償(建物と家財)
私の地域では、夏場は雷も多くなりますが、それがまともに落ちて被害が出たというのはあまり聞きません。もちろん雷害が全くない訳ではないですが、ただ今までいうと、雷の被害によりサージ(過電圧や過電流)が入り、分電盤が吹っ飛び、アンテナケーブルとその部材も焼け焦げ、酷い被害を受けた家を修繕したことはあります。
雷の被害は様々だと思いますので、それこそ家が燃えたということも聞きます。
ただ私自身、初めてまともに雷サージの被害を見た時は、ちょっとびっくりしました。恐ろしいとも感じました。家の分電盤が吹っ飛ぶ現象なんて、あまり見ることはないと思います。
またそのお家は、分電盤などの電気回路の被害もあったのですが、テレビアンテナからも雷サージが入ったようで、壁面のテレビアンテナコンセントも焼け焦げていました。
壁面のテレビコンセントが焼けているということは、その間のブースターや分配器も故障している可能性が出ますよね。テレビアンテナ部品というのは、小さい部品でも1つ1つが割と高額なので、修理すると工事費に加え材料費も高くなります。
またテレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機などが雷の被害によって壊れるというのもあります。
この場合、通常の火災保険であれば落雷補償がありますので、保険を利用して交換や修理することが可能です。
ご自宅の保険を確認する必要はありますが、通常の火災保険であれば、「火災・落雷・爆発」の被害は補償されます。
火災保険の加入は法律上義務付けられてはいないものの、住宅で火災保険に入っていないという人はほとんどいないと思うのですが、万が一入っていなければ必ず火災保険には入っておきましょう。
全国の火災保険の加入率は、持ち家世帯で80%ほどのようです。
新築住宅の購入にあたり住宅ローンを契約するときの融資条件に火災保険の加入が必須となっていると思いますので、ほとんどの方は入っていますね。
本当は火災保険の「落雷補償」に加えて、「水災補償」や「地震補償」にも加入しておくともっと安心です。洪水などの水災で電化製品が故障することも珍しくなくなってきました。
水災補償の加入率は約65%、地震補償の加入率は50%ほどのようです。
その火災保険にある落雷補償ですが保険の対象を選ぶ事ができます。それが「建物」と「家財」になります。
どちらか一方を選ぶこともできますし、両方選ぶこともできます。
「建物のみ」の場合は、建物だけでなく、敷地内にあるものや建物の一部(給湯器やIHクッキングヒーターも含む)となるものも補償対象になります。建物の電気配線は「建物」の補償対象になります。(ご加入の保険会社に確認する必要はあります)
⚫︎「建物のみ」の補償対象
・建物、門、塀垣、物置、車庫、玄関ドア、窓、庭木、給湯器、冷暖房設備
*補償対象は保険会社により異なります
「家財のみ」の場合は、家具や棚、パソコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの電化製品が補償対象となります。
⚫︎「家財のみ」の補償対象
・家具、家電製品、衣類、自転車、原動機付き自転車
*補償対象は保険会社により異なります
この「建物のみ」と「家財のみ」の基本的な区分けですが、家の中で移動が可能かどうかです。移動が可能なものは、「家財」となり、移動できないものは「建物」となります。
雷による被害・損傷は、「火災・落雷・破裂・爆発」が火災保険の基本補償になりますので、保険を利用できますが、「建物のみ」か「家財のみ」で補償される対象が異なりますので、もし「どっちかな?」と思われる方は確認しておきましょう。
地域によっては、火災保険の基本補償だけでなく、「風災」「水災」「地震」も加入しておいた方がいいかもしれません。台風、大雪、洪水、地震など全て身近な自然災害です。
雷の被害で電化製品が壊れた場合に利用できる火災保険
雷害で電化製品が故障した時に使う火災保険を利用する手順
雷害・落雷・誘導雷などで家の電気配線や家電製品が故障した場合の火災保険を利用する手順なのですが、テレビが1台壊れたなど緊急性がない場合もそうですが、もし電気配線が故障するなどして停電になった場合でも、まずは保険会社に電話をして、契約者名・保険証券番号・事故の日時・場所、被害状況などを説明します。
緊急を要するなら私たちのような電気工事業者にも連絡してください。
落雷で被害を受けた場合、まず保険証券を準備して(証券番号が必要)保険会社に連絡をして故障したものが補償対象になっているか確認をする必要があります。「建物のみ」、「家財のみ」やその補償対象。
対象になっていれば保険金の手続きをします。
保険会社から送られてくる「保険金請求書」、「被害状況が確認できる写真」、「工事業者や修理業者に作ってもらった見積書」を保険会社へ提出します。
できれば見積もりの中に「落雷によるもの」という記載や、落雷による「被害証明書」などを作ってもらうと、保険会社の方も落雷による損傷と認定しやすくなります。
また、保険金の金額で補償される金額も変わってきます。
保険金額の契約には「新価」と「時価」がありますが、保険の支払額は高くなりますが「新価」の方が万が一何かあった場合に支払われる保険金が大きいので安心です。
できるなら「新価」の方で契約した方がいいです。
以上ですが、今回のお話をまとめると、
①火災保険の基本補償には、「火災・落雷・破裂・爆発」がある
②火災保険には、「建物のみ」と「家財のみ」そして「建物と家財」の3種類がある
③「建物のみ」と「家財のみ」のどちらかの加入の場合、補償される家電製品が違ってくる
④地域によっては、「風災」「水災」「地震」も加入した方が良い
⑤保険を利用したい時は、被害・損傷があった場合はまず保険会社に連絡する
⑥「新価」と「時価」で支払われる保険金額が変わってくる
こちらのブログを見られましたら、一度ご自宅の火災保険の契約内容を確認して、今の契約内容では不安だと感じたら見直してみてもいいかもしれません。
保険会社さんも親身に相談にのってくれます。
「建物」も「家財」も損傷すると、負担する金額が大きいですからね。