ガス給湯器や石油給湯器(灯油ボイラー)、エコキュートの違い
2021/09/11
ガス給湯器と石油給湯器、エコキュートの違いについて
それぞれの特徴や光熱費の違い (画像はガス給湯器の壁掛けタイプ・据置タイプもあります)
一般住宅の給湯器には、ガス給湯器・石油給湯器(灯油)、電気温水器、エコキュートなどがあります。あとガスと電気を使用したハイブリッドという給湯器もありますね。
現在の日本の一般住宅やアパート、マンションで使用されている給湯器のシェア率ですが、どの給湯器が多いのでしょうか。少し調べて見ました。
すると、ガス給湯器が圧倒的に多いですね、そして次に石油給湯器、その次がエコキュート、最後が電気温水器となります。ハイブリッドはごく少数となります。
⚫︎給湯器のシェア率
ガス給湯器=69%
石油給湯器(灯油)=13%
エコキュート=12%
電気温水器=3%
アパートやマンションは圧倒的にガス給湯器ですよね。ガス給湯器本体はとにかく省スペースで取り付ける事ができて、交換費用も石油給湯器やエコキュートと比べると安いです。
ガス給湯器のメリットは、本体や工事費もエコキュートや石油給湯器に比べると比較的安いというところですね。あと都市ガスならガス料金も安め。
ガス給湯器のデメリットは、プロパンガスの場合はガス料金が割高になる。プロパンの場合は、ガス切れを起こす可能性がある。
都市部の方は都市ガスがあるのでガス料金も比較的安いでしょう。地方の方になってくるとプロパンガスになりますが、プロパンガスになるとガス代は少し高めになってきます。
現在は給湯器のシェア率はガス給湯器が1位で、2位が石油給湯器になり、3位がエコキュートです。4位は電気温水器ですが、電気温水器はまず先に今後無くなっていくでしょう。
これを例えば、住宅のみのシェア率や地域別で見たりするとまたこの順位は変わってくると思いますが、私が生活している地域では、プロパンガスでガス料金が割高なので、一戸建て住宅でガス給湯器を使用している人はほとんど見かけません。
エコキュートか電気温水器か石油給湯器が多いです。
⚫︎ガス給湯器、石油給湯器、エコキュートの機能の違い
例えば、どの給湯器にもフルオートという仕様があり、同じフルオートであれば機能の違いはほとんどありません。
つまり、お湯を沸かすのにガスを使うか灯油を使うか電気を使うかの違いになってきます。
⚫︎お湯の圧力の違い
①ガス給湯器は水道直圧のみしかありません
②石油給湯器は水道直圧と貯湯式(減圧式)の2種類があります
③エコキュートも水道直圧と貯湯式(減圧式)の2種類があります
(エコキュートの場合はカタログに水道直圧と記載はありませんが、パワフル高圧とかハイパワー給湯と記載がああります。これらがほぼ水道直圧の水圧になります)
ですので、お湯の圧力もほぼ同じと言えますね。
私が感じる1番の違いは、電気が停電した時なのかなと思います。
まず電気が停電すると、どの給湯器もお湯を沸かすことはできません。
ただエコキュートや電気温水器の場合は、タンクにお湯を貯めているので停電してもタンクの中にあるお湯は使うことができます。(もちろん停電する時間が長いと、タンク内のお湯は冷めていきます)
ただ、自然災害があると別ですが今の時代はそんなに長い時間停電することもないですね。
⚫︎どの給湯器が経済的なのか?
これは地域によって違います。先ほども言いましたが、私の地域ではガス料金が高めなので、エコキュートが普及しています。
ただ、1人暮らしや2人家族の場合はガス給湯器や石油給湯器でも良いのかと思います。それくらいの人数であればガス代・灯油代もそんなに高くなりません。
逆にエコキュートにかかる初期導入費用の元を取ることが難しいように感じますので、2人以下の少人数のご家族の場合はエコキュートはあまり経済的ではないように感じます。
もちろん、お一人や2人家族でもエコキュートを使用している人はいますし、エコキュートのメリットは省エネだけではありません。
メーカーからは、少人数2人〜4人用のタンク容量300Lのエコキュートも発売されていますが、初期費用はガス給湯器や石油給湯器より高くなりますので、導入を検討する際はランニングコストを計算してみる必要がありますね。
3人以上のご家族であればエコキュートの方が経済的になると思います。ただやはり元を取るという考え方でいくと、5年〜7年くらいはかかるかもしれません。
エコキュートのメリットは、ガスや灯油などの燃料よりも比較的安全に感じることができるのと、燃料の残量を気にする必要がないというのも大きいメリットですね。
ガス給湯器と石油給湯器、エコキュートの違いについて
こちらが左からオイルタンク(灯油のタンク)と石油給湯器(写真はステンレス仕様です)
灯油を使用する石油給湯器ですが、こちらも一般住宅によく使用されているタイプです。20年ほど前は灯油代もかなり安く(つまりガソリン代も安かったです)、1リットル=約30円〜40円とかでした。灯油1リットルを40円で買えるなんて本当に安いですよね。
ですので、この時代は本当に石油給湯器の取り付けばかりでした。電気温水器などから石油給湯器に交換したご家庭もありました。灯油代が安いので、ほとんどご家庭が石油給湯器でしたね。
それから徐々に灯油価格も上がってきましたので、石油給湯器を選ぶメリットが薄くなってきました。
石油給湯器の交換工事の費用は、こちらも給湯専用やオート、フルオート、水道直圧、屋内用、屋外用など色々仕様がありますので、本体や工事費にも差が出てきますし、同時にオイルタンクを交換するかしないかでも工事費は変わってきます。
石油給湯器(ボイラー)本体の交換工事費だけで、ボイラー本体込みで約90,000円(税込)〜になると思います。
オイルタンクの交換は、仮に容量90リットルのタンクだとすると、オイルタンク本体込みで約45,000円〜になると思います。
石油給湯器とオイルタンクを同時に交換する場合は、多少安くなると思いますが、ほぼ2つを足した金額になります。
ですので、ボイラーとオイルタンクを一緒に交換する場合は、約150,000円〜ということになります。
石油給湯器のメリットは私個人的にはほとんどありません。工事費もそれなりにかかりますし、灯油も今ではそんなに安くもありません。
石油給湯器の1番のデメリットは、灯油の残量を気にしなくてはいけないとこですね。
スタンドなどで灯油を配達してもらえば残量をあまり気にする必要はありませんが、それでも配達が遅れ灯油切れを起こすことは普通にあります。
また、灯油を配達してもらえば当然灯油代は高くなります。でも、自分で灯油を買いに行くのも面倒ですよね。天気の良い日であれば、買いに行くのもいいですが、できれば雨の日や雪の日に灯油を買いに行きたくありませんよね。しかもそんなに安くない。
エコキュートであれば電気ですので、そういう部分を気にする必要はありませんのとても楽と言えます。
ガス給湯器と石油給湯器、エコキュートの違いについて
こちらがエコキュート(右側の大きい方が貯湯タンクで小さい方がヒートポンプ)
エコキュートのメリットは、ガスや灯油の燃料と比べると安全、電気でお湯を沸かすのでガスや灯油などのように残量を気にする必要がないところです。
また地域によっては光熱費も安くなります。あとご自宅に太陽光発電などが設置されている場合は特に電気代は安くなりますよね。
太陽光発電のあるご家庭は、売電金額と合わせると、1ヶ月の電気代が、0(ゼロ)円というお家もあると思います。
エコキュートのデメリットは、初期導入費用もそうですが、寿命で交換する場合でも、ガス給湯器や石油給湯器と比べると交換工事費の金額は高めとなります。
エコキュートと電気温水器の違いがよく分からないという方も結構いると思うのですが、この2つの給湯器は全然違います。
その違いですが、
①お湯を沸かす時間帯
電気温水器は夜間のみ決まった時間に決まった量を沸かします。エコキュートはタンク残量や季節などの状況に応じて湯切れしない程度に沸かします。少し極端に言うと、エコキュートはそのご家庭に必要な分のお湯しか沸かしません。だから省エネなのですが、設定変更によりたくさんお湯を沸かすこともできます。
②消費電力(電気代)
電気温水器(タンク容量550ℓ)=約6,000W(ワット)
エコキュート(タンク容量550ℓ)=約1,800W(ワット)
このとおり、エコキュートの消費電力は電気温水器の約1/3になります。つまり電気料金も1/3になります。
③お湯の圧力
電気温水器は減圧式しかありませんが、エコキュートは水道直圧に近い(数値的にはほぼ水道直圧です)種類もあります。
ガス給湯器と石油給湯器、エコキュートの違いについて
こちらが電気温水器(電気温水器は貯湯タンクのみ)
こちらが電気温水器ですね。電気温水器は、屋内用と屋外用があります。屋内用は形が丸形で、屋外用は角形になります。
ちなみにガス給湯器も石油給湯器も屋内用、屋外用はあります。
エコキュートは屋内用というのはなく、貯湯タンクは屋内、屋外どちらに設置しても構いません。ただし、ヒートポンプ(室外機)は屋内設置は禁止で、屋外にしか設置できません。
なぜかというと、エコキュートの室外機には「自然冷媒」と言って二酸化炭素が循環しており、それが万が一漏れてそばに人がいると一酸化炭素中毒になる可能性があるからです。
電気温水器の続きですが、貯湯タンクのみでエコキュートのように室外機はありません。
エコキュートが出てから、電気温水器のメリットは無くなりましたね。
エコキュートが出始めの頃は、まだ高価だったので、エコキュートより安い電気温水器の方にする人はいましたが、今はエコキュートの価格はずいぶん落ち着き、給湯専用などの安いものであればエコキュートとそんなに変わりません。電気温水器の方が少し安いですけどね。
ただ電気温水器の最大のデメリットは、高額な電気代ですね。高額というと少しオーバーですが、それでも高いと感じます。電気代の一番安い契約である、「深夜電力」を利用しても電気代は高いと感じます。
電気温水器の消費電力というのは。タンク容量により変わりますが460リットル〜のタンクで「6,000W (ワット)」くらいあります。この消費電力で夜間決まった時間に数時間お湯を沸かすのですが、これが1ヶ月分になるとなかなかの電力量になるんですね。
あと、同じくらいの消費電力で「蓄熱暖房」。こちらも電気代は高くなりますね。
電気を節約しようと言っている時に、消費電力の大きい「電気温水器」と「蓄熱暖房」は今の時代にあまり合わないかもしれませんね。
ガス給湯器と石油給湯器、エコキュートの違いについて
こちらが電気温水器の電気で使用する深夜電力用の電気メーターです
一番左側の電気メーターが通常の電力量メーターで、左から2番目が決められた深夜電力時間にON/OFFする「タイムスイッチ」、左から3番目が「深夜電力を計量する電気メーター」になります。右側のボックスの中に、電気温水器用のブレーカーが入っています。
電気温水器や蓄熱暖房があるご家庭でも、画像のようなタイムスイッチや夜間電力用の電気メーターが無い場合もあります。それは、配線方式の違いによります。
電気温水器からエコキュートへ機器を変更する場合は、タイムスイッチや深夜電力用の電気メーターはもう必要なくなるので取り外すことになります。
ちなみに、こちらの北陸電力ではこの「深夜電力」の新規契約はもう受け付けておらず、数年前に廃止になっています。廃止前から契約されているご家庭だけが継続して「深夜電力」という契約を利用しています。
エコキュートへ変更する人が多いと思いますので、今後は徐々に「深夜電力」の契約も減っていくでしょう。
ちなみにですが、電力会社様の決まりで「深夜電力」をエコキュートで利用することはできないことになっています。
また、そもそもエコキュートというのは、昼や夜に関係なくお湯を沸かします。
施工業者が工事の最後に試運転の段階でリモコンで設定することで、基本的に電気料金の安い時間帯を優先してお湯を沸かすのですが、お湯切れしそうになったら、今が何時であろうが自動でお湯を沸かし始めます。
だから電気温水器と違い、エコキュートは深夜とか関係がないんですよね。
あまりいないと思いますが、今から新規で電気温水器を取り付けるとなると、「深夜電力」という契約はできませんので、電気の基本料金も高くなりますし、電気の使用料金も高くなります。
電気温水器から電気温水器の交換でしたら、「深夜電力」はそのまま継続できます。
ですけど、この際エコキュートのお見積もりもしてみてはいかがでしょうか。
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