地デジ(UHF)アンテナ・ブースター交換工事(石川県七尾市)
2021/08/29
地デジアンテナ ブースター アンテナ支線一式交換
交換前 作業前の2階屋根上のアンテナ外観です
テレビ(地デジ)を見ていると、画面が止まる、フリーズするというような事を言われていました。また、お客様自身で地上から屋根上のアンテナを見上げたときに、ブースターと思われる器具のカバーが外れていて、雨ざらしになっているので、それが原因ではないか?という事を電話で伺いました。
それで、地デジアンテナとブースターの点検に伺いました。確かに地上から屋根上のアンテナマストに取り付けてあるブースターを見ると、フタ外れて失くなっているようです。
早速、2連梯子を伸ばし、屋根に上がりました。こちらの屋根が少々高めで、私が使用しているのは伸ばすと7.4mになる2連梯子ですが、やっと届きました。通常、危険防止のため梯子をかけた時に、梯子がかかった部分から更に60cm以上、梯子が上へ出るようにするのが基本なのですが、30cm前後でしたね。ちょっと怖かったです。
そして、屋根上に登って撮った写真が左になります。アンテナマストの一番上にあるのがアナログ(VHF)アンテナで、その下が地デジ(UHF)アンテナで、その下にUHF/BSブースターが付いています。写真はもうブースターを外してしまった後です。そして、BSアンテナですね。
確かに、ブースターのカバーは外れていて、しばらく雨にもあたっていたので中も腐食が進んでいました。更にもう古いタイプのブースターでしたので、新品に交換しかありません。
ただ、他にも気になる部分があり、地デジのアンテナの取付金具部分もかなり錆びています。これもこの際新品に交換した方が良さそうです。
こういう2階の屋根上というのは、簡単にメンテナンスできる場所ではありませんので、ある程度、まとめて作業を済ませた方が工事費も安くなります。
あとは、一番上に付いているアナログアンテナも撤去した方がいいです。こちらも腐食が進み、既に錆により部品が落ちて一部失くなっています。
また、こういう不要なアンテナが付いていると、マストを支えているステンレス支線に負担がかかりますので、できるだけ軽量にしておく方が良いです。
今でも、住宅の屋根上のアンテナを見ると、アナログ(VHF)アンテナが残っているお家をたくさん見かけますが、不要なものは外しましょう。
ちょうど、アナログ放送から地上デジタル放送に切り換わるときに取り付けたアンテナだと思うので、アナログアンテナが残っているのは仕方がないんですけどね。
ただ、アナログアンテナは放置してある状態で、屋根上で腐食が進んで少しずつ自然解体されていくので、残しておいて良いものでもないですね。屋根から金属の部品が落ちてきても危ないです。
地デジアンテナ ブースター アンテナ支線一式交換
アンテナ取付金具部分の画像です
こちらが古い地デジアンテナの取付部分になりますが、かなり錆びていますね。他の画像でも分かると思いますが、こちらのお家は海に近い場所です。屋根から海が見えます。ですので、塩害地域となりますね。これぐらい海が近いと重塩害と言ってもいいです。
でも、おそらくですがこちらアンテナはこれだけ錆びているところを見ると、塩害仕様ではなく通常のアンテナだと思います。あと、ステンレス支線が繋がっている金具も錆びていますね。これもこの際に交換した方がいいですね。
ちなみにですが、メーカーにより少し見解は異なりますが、海からの距離がどこまでが塩害・重塩害地域になるのでしょうか。
これはエアコン室外機の場合になりますが、ダイキンさんの場合は、海から室外機設置場所の距離が300m〜1kmまでが塩害地域、海から室外機設置場所の距離が300m以内であれば重塩害地域となっています。
それに当てはめると私の住んでいる場所も塩害地域になりますが、塩害仕様ではなく通常のエアコンを使用しています。でも、あまり錆びません。ですので、一概に距離だけでは判断できない部分もあるのですが、今回のこちらのアンテナを交換するなら塩害仕様の地デジ(UHF)アンテナを取り付けます。
通常のでこれだけ錆びていますからね。
地デジアンテナ ブースター アンテナ支線一式交換
元々こんな風にブースターが付いていました
こちらが最初に問題になったカバーが失くなっているUHF/BSブースターです。写真を撮り忘れたのですが、こういう感じで取り付いていました。
お客様にブースター以外にもこの際交換した方が良いと思われる部品、材料がありますがどうされますか?と屋根上の写真を見てもらいながら相談しました。あとその場で金額もお伝えしました。
それで、錆びている部材は交換するということになりましたので、とりあえず今日はブースターだけを交換して、後日、地デジアンテナ本体、ステンレス支線、支線取付金具を交換することになりました。
BSアンテナも取付部分がかなり錆びていたのですが、今回は見送ることにしました。
あと、見ても少し分かると思いますがアンテナマストもサビがきているんですよね。このアンテナマストですが、電気配線工事で使用する金属電線管を使用しているのです。
本来、アンテナマストで使用するものではありません。ただ、価格が安いため費用を抑えられるので、この電線管をマストの代わりに使用している人は本当に多いです。
私も会社に勤めているときは使用していましたが、また長く持つことは持つのですが、やはりこういう風に錆びるので今は使用していません。
今私が使用しているアンテナマストは、マスプロさんの超防錆メッキ仕様のマストを使用しています。
地デジアンテナ ブースター アンテナ支線一式交換
新しいステンレス支線と支線取付金具(溶融亜鉛メッキです)
こちらが新しいステンレス支線と支線止め金具です。溶融亜鉛メッキで、サビには強いです。この支線止め金具を交換する時は、マストの上から差し込むように取り付けたり、抜くように外したりするので、ステンレス支線を一度外さないと交換できないのですが、今回は前に付いていた支線止め金具が錆びていたので、ニッパーで切りました。
ですので、前の支線がある状態で新しい部材を取り付けられたので思ったほど苦労しませんでした。でも、改めて思いますが、こういう2階屋根上の高所作業で、こういうアンテナ工事は本当に2人でやるべき作業だと感じます。
支線をやり直すとなると、屋根の軒先での作業もあるので、それなりに危険です。でも2人で作業すると金額が合わなくなってくるんですね。
地デジアンテナ ブースター アンテナ支線一式交換
新しい地デジア(UHF)アンテナの取付金具(溶融亜鉛メッキ)
こちらが新しい地デジアンテナを取り付け、配線処理後の画像になります。少し分かりづらいかもしれませんが、アンテナ取付金具部分、溶融亜鉛メッキになっています。つまり塩害仕様です。
本体の反射器や輻射器はアルミでできています。
ネジ部分はステンレスが採用されています。通常のアンテナは多少メッキがされているのか分かりませんが、これが全部鉄なんですね。
この形状のアンテナを「八木(やぎ)アンテナ」と言うんですけども、「八木さん、宇田さん」という方がこちらのアンテナを開発したんですね。
八木アンテナの構成は、反射器、輻射器(給電部)、導波器になっています。
もし、取付金具部分が防錆仕様ではなく普通の鉄であっても、この取付金具部分がダメになる頃には、反射器や輻射器(給電部)も劣化しているので、取付金具部分だけを長持ちさせてもあまり意味がないのかなと感じたりするのですが、取付金具はアンテナを支えている重要な部分ですので、長持ちするのに越したことはないですね。
同軸ケーブルはまず耐候性の高い黒色のビニールテープでアンテナ本体やマストに止めます。その上から結束バンドで結束します。
たまに、この同軸ケーブルが屋根上のアンテナ付近でブラブラになっているのを見かけますが、ビニールテープを巻かずにおそらくインシュロックだけで止めているんですね。
インシュロックだけだと、日光の紫外線でいつか切れて落ちてしまいますので、必ずビニールテープで巻きます。ビニールテープは何年持つとは言い切れないですが、かなり長い年月、おそらく20年以上は持つような気がします。
地デジアンテナ ブースター アンテナ支線一式交換
アンテナの方向を調整します
こちらはレベルチェッカーという道具で、地デジ(UHF)アンテナやBSアンテナの方角を調整し、ピンポイントで合わせるための道具になります。
レベルチェッカーにも色々種類がありまして、高機能なレベルチェッカーは値段が200,000円くらいします。高機能なものは、小さいテレビ画面が付いていたり、スカパーも調整できますね。ただチェッカー本体のサイズもかなり大きくなり持ち運びがしづらいですね。
こちらのレベルチェッカーは、ハンディタイプなので、屋根上のような場所でも持ち運びしやすいのです。こちらのものでも、値段は60,000円ほどします。
DIYでご自分でBSアンテナを取り付ける時は、テレビを見ながらアンテナの方角を合わせてもいいと思います。また、今はBSアンテナを購入すると、箱の中に簡単なレベルチェッカーが付属されていますね。私も使ったことがありますが、それを使用してもいいですね。それはBS専用です。
私たちは仕事で色々な場面で使うことがあるため、こういうレベルチェッカーが必要ですが、アンテナの方角を合わせるのに必ず必要な道具ではありません。
1人がアンテナの方角を合わせながら、もう1人がテレビを見ているという状況をつくれば方角を合わせられます。この場合は2人必要です。
アンテナをベランダに設置するなど、テレビとアンテナの距離が近いときは1人でテレビを見ながらアンテナの方角を合わせられますね。
ただ、やはりレベルチェッカーよりは精度は落ちると思います。レベルチェッカーを使用する方が、より良い方角に合わすことができます。
地デジアンテナ ブースター アンテナ支線一式交換
新しい地デジアンテナ取付後
アンテナの設置が終わり、方角調整も完了した後の画像です。
これで作業は完了となります。やはりアンテナマストが少し飛び出ていて長いですが、前のように不要なアンテナも付いていないので、支線などに負担になることはありません。
支線止め金具の位置(高さ)ですが、画像のようにアンテナ本体のすぐ真下か、もしくはアンテナ本体の上に配置します。分かると思いますが、そうすると支線にかかる負荷が最小限になります。
画像に写っていませんが、下には当然屋根馬というものがあるのですが、その屋根馬にマストが固定されています。
よく見かけるのですが、その屋根馬の足と最初に張った支線を繋げるように、支線を張っている張り方があります。おそらくテンションのような役目をするということを考えていると思うのですが、おそらく意味がありません。
もし、屋根馬が屋根の上に固定(くっついている)されているんでしたら、その張り方も意味がありますが、屋根馬は屋根の上にのっているだけですので、そういう支線の張り方は意味がないと思うんですよね。
ただ、本当によく見かける支線の張り方です。
ただ要は、どういう張り方でもアンテナが倒れなければいいんですけどね。
最近は、アンテナを屋根上ではなく、家の壁面に取り付ける平面アンテナ(デザインアンテナ)が多くなっています。私もそちらの方が、メンテナンスやアンテナの維持を考えても良いのかなと思います。
ただ、平面アンテナは「八木式アンテナ」より受信感度が低くなるので、ブースターが必要になる場合が多いかもしれません。ただ見た目もスッキリしますし、今後は平面アンテナ(デザインアンテナ)が主流にはなってきそうです。
次に平面アンテナを工事した時、またブログで紹介します。