ルームエアコンの冷媒ガス充填(石川県・富山県)
2021/08/29
エアコンの冷媒ガス(R410a)の充填方法
電動ポンプにて真空引きから充填作業中
ルームエアコンの冷媒ガス充填方法。今回は、冷媒ガスの充填方法をお話しします。
まず必要な道具としては、ゲージマニホールド、電動の真空引きポンプ、デジタル台秤(チャージャー)、延長コード、そして冷媒ガスの入った容器(ガスボンベ)ですね。こちらのガスはR410aとなります。他にもサービスバルブがあった方がいいですね。
まず、ガスが漏れていた場合はガス漏れ部分を探して特定し、その部分を修理してからガスを充填します。でないと、また漏れますからガスを充填しても意味がありません。
そして、漏れていた部分を修理し終わったら、ガス充填の準備をします。画像の状態が真空引き作業をしているところになります。今、地面に置いてある電動ポンプが動いている状態になります。
冷媒配管内を真空乾燥させるのが目的でしたら、この状態で45分〜1時間くらい真空引きをします。しかし、真夏の晴れた日で、冷媒配管も新品で特に真空乾燥までを考えていなければ、真空引き時間は10分間ほどで十分ですね。冬場など湿気の多い時期は、もう少し長めに真空引きをします。
ちなみに私はこういうシステム一式を真空引きする場合、10馬力〜20馬力の業務用パッケージエアコンの真空引きもできるパワーのある電動ポンプを使用しています。
ここで紹介するガスの充填方法は、あくまで私のやり方なので、他の方はまた少し違うと思います。
真空引きが終わったらすぐに電動ポンプの電源を切るのではなく、ポンプ側を常に真空度の高い状態に保ちたいので、まず黄色のホースに接続してあるサービスバルブを閉めます。それから黄色のホースを電動ポンプから外します。そこまで終わったら、はじめて電動ポンプの電源を切ります。
そして黄色のチャージングホースも外してしまいます。サービスバブルは閉めたままでそのままマニホールドに接続しておきます。
そういう順番で電動ポンプを外すと、最後までポンプ側の真空度が高い状態を保てます。なぜこうするかというと、電動ポンプの中にコンプレッサーオイルが入っているのですが、そのオイルが逆流しないようにするためです。チャージングホースが繋がっている状態でポンプの電源を切ると、冷媒配管側の方が真空度が高い状態になる可能性があります。そうすると、ポンプの中のオイルが冷媒配管側に吸い込まれるんですね。
ただ、画像にある私が使用しているポンプは、逆流防止機能が付いていますので、逆流はしないのですが、基本的な手順(クセ)としてそういう順番でポンプを外します。
次にそのポンプを外した状態で10分間ほど放置し、冷媒配管内の真空状態が維持できるか確認します。10分経過しても、マニホールドの針が動かずに真空状態を維持できていればOKとします。(これは、あくまで私の場合です)
次にガスを充填する訳ですが、まずデジタルの台秤(冷媒ガス容器を載せた状態)のメモリを0(ゼロ)にします。
そして、青色のチャージングホースに接続してあるサービスバルブを閉めます。
それから、ゆっくりとガス容器のバルブを開けていきます。ガスの圧力はかなり高いので、一気に開けてはいけません。ゆっくり開けます。すると、まずマニホールド内と青色と赤色のチャージングホース内にガスが充填された状態になりますよね。(黄色のチャージンホースはすでに外してありますね)
この時、マニホールドに表示するガスの圧力としては、1.5Mpa〜2.0Mpaになります。次にデジタル台秤の数値を見ます。マニホールド内とチャージングホースに液状ガスが入った分がマイナスになっています。マイナス35gくらいでしょうか。
この数値をメモして控えるか覚えておきます。この数値プラス、こちらのエアコンの決められた封入量のガスを充填します。画像のエアコンは封入量が630gでしたので、630g+35g=665g という事で、デジタル台秤の数値がマイナス665gになるまでガスを充填します。
それでは、次に青色のチャージンホースに接続してあるサービスバルブを、こちらもゆっくりと開けていきます。すると、少しずつエアコンの中に冷媒ガスが入っていきます。台秤の数値をよく見ながらガスを充填していきます。冷媒ガスは規定量より多すぎても少なすぎてもよくありません。どちらかというと多すぎるくらいであれば、少ない方がいいかもしれません。
あと、今回の場合は665gですが、正確に665gで止めるというのは難しいので、多少の誤差は問題ありません。665gに達しそうになったら、サービスバルブで微調整しながら、最後に完全に閉めます。
そして、ガス容器のバルブを閉めます。
以上であとは、マニホールドやホースなどを全て外し、試運転して正常運転できれば完了です。
以上になります。
エアコンの冷媒ガス(R32)の充填方法
電動ポンプにて真空引きから充填作業中
こちらのR32のガス充填も上のR410aと方法は同じです。どちらも、チャージ(追加)ではなく、全量充填です。
あと、気温の高い夏場はガスを充填しやすい(ガスが入りやすい)のですが、気温の低い冬場は、ガスが入りづらいのです。そういう場合は、強制冷房運転をさせながらガスを充填すると入っていくので、強制冷房運転を使用してください。
冬場に普通にリモコンで冷房運転しようとしても、温度センサーが低い気温を感知してしまい、冷房運転はしませんからね。
画像に写っている道具類ですが、私は仕事で使っているのでそれなりに高い道具を買って使っていますが、エアコンの道具でもDIYタイプのような価格が安めのエアコン工具も販売されています。
ご自分の家のエアコンや親戚の家のエアコンを取り付けるくらいでしたら価格の安い道具で十分だと思います。